逆にターンオーバーが早まることによる不全角化、または錯角化(パラケトージス)といいます。
通常は角化の過程で、角質細胞の核は消失するのが正常な状態なのですが、パラケラトージスの場合はターンオーバー日数が短縮されているために、核が消失する前に角質細胞になってしまい、皮膚表面に上がってきてしまいます。核を持ったままの角質細胞は、まだ未熟なので、保湿力、防御機能も不十分で、水分の保持能力もひくく、バリア機能も低下してしまうのです。その結果、乾燥気味で化粧カブレなどを起こしやすい敏感肌になってしまうのです。
この状態は、角質が急激に薄くなったり、肌が炎症性皮膚疾患になった場合の大部分に見られる現象です。皮膚に損傷があると、体というのは早く治そうとします。すると新陳代謝のスピードが速くなるというわけなのです。
こういった状態は炎症性の疾患(慢性的で広範囲なニキビ肌、湿疹、脂漏性皮膚炎など)や、ブラシの使用やスクラブ洗顔の連用、過度の洗顔、ケミカルピーリングなど、誤った美容法や化粧品の使用によってもパラケラトージスを招くことがあるので注意が必要です。
こういう場合の対策は肌にやさしい洗顔を行い、できるだけ角質層を傷つけないように日々のケアで心がけてください。
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